道草手帖

好きなものや日々の出来事をのんびりと綴っていきたいと思います

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東直子『耳うらの星』  

111017jishin


私は生きている理由に、たくさんのことを望まない。
この世に私を必要としてくれる人がいてくれること、
それだけでいいと思う。
それだけでいいと思いつつ、
ときどき胸に大きな洞ができたように
不安におそわれることがある。
おそろしいほど自信がなくなる。
だれもこの世に私のことなど必要としなくなったら…?
でも、身体が生きることを欲していたら
生きなきゃいけないんじゃないかな、
と言い聞かせる。
なんのために?
なんのためかな。
部屋で仮定法を煮詰めていても
苦しくなるばかりなので、外に出る。

街をゆく人は、とくにひとりで歩いている人は、
あまり表情がない。
安心する。
道ゆく人だれもかれも、
コマーシャルに出てくる人のようには
生き生きと輝いたりしていなくて。
私のことを誰も知らなくて。



ただ生きているだけでいい?こんなにも空があおくて水がしずかで


些細なことがきっかけで、涙が止まらなくなりました。
そんな暗い気持ちのなか、
東直子さんの『耳うらの星』というエッセイを読んでいました。
『とりつくしま』、『薬屋のタバサ』、最近では『私のミトンさん』…と、
どこともいえぬ魅力的な世界を表現する小説家であり、
歌人でもある東直子さんの日常。

2人のお子さんのお母さんであることに驚き
(勝手に独身だと思っていたので)、
ほとんどのことが上手にできない子どもであったと
いうことに驚き(勝手に何でもできそうな人と思っていたので)、
私の想像を嬉しいくらいみごとに裏切ってくれることばかり。

頁をめくる手がだんだん早くなり、
読みながら笑い、「そう、そう」とひとりごち、勇気をもらい、
読み終わると、少し気分が楽に。
そして、ますます東直子さんのことを好きになったのでした。

耳うらの星耳うらの星
(2011/02)
東 直子

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コメント

こんばんは。
♪自分以外の誰もかも偉いような気がする時、、、。
中島みゆきさんの唄を口ずさみながら過ごした10代でした。
「なのために生きるのか、、」
ずっと考えてきました。

面白そうな本ですね。
私も勝手に独身でバリバリできるかただと思っていました。
読んでみたくなりました。ありがとうございます。


URL | mo #NkZVZrtM
2011/10/17 21:52 | edit

moさんへ

moさん、こんばんは。

基本的に超がつくほどマイペースで生きているはずなのですが、
時々がくんと落ち込んで、そんなときは、
自分のマイペースさが色々と邪魔するので困ります(笑)
周りの人が“ふつうに”できることがほんとうにできなくて、
「自分なんて何の役にもたたない」と思ったり…。

moさんも様々なことを考えてこられたのですね。
そう、私も若い頃はもっと生きる意味を考えました。
今は、自分のぐうたらを嘆く日々…。

話がおかしくなってしまいました。
すみません。
本題に。

moさんも東直子さんのことを同じように想像されていたとのこと。
わ~嬉しいです。
小説を読んでいると、いい意味で、あまり生活感が感じられませんものね。
それに緻密な感じもして、きちんと仕事ができる方のような感じもしますよね。
このエッセイを読むと、東さんをもっと身近に感じられるのではないでしょうか。

少し前に、moさんの紹介されていた『私のミトンさん』も読みましたが、
こちらもすごくよかったです。
福田利之さんが装画を描かれているのですね。
お話もよいですが、とっても素敵な装丁で、持っていると嬉しくなる一冊ですね。
それから、ミトンさんは、『甘い水』の短編に出てくるミトンさんと同一人物のようです。
それを知って、思わず『甘い水』も読み返してしまいました(笑)。
こちらこそ、教えて下さり、ありがとうございます。

URL | noco #-
2011/10/18 01:04 | edit

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