道草手帖

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知里幸恵 『銀のしずく』  

100706dieBlume


過去の罪怯深い私は、やはり此の苦悩を当然味はなければ
ならないものでしたらうから、私はほんとうに懺悔します。

そして、其の涙のうちから神の大きな愛をみとめました。
そして、私にしか出来ないある大きな使命をあたえられてる
事を痛切に感じました。

それは、愛する同胞が過去幾千年の間に残しつたへた、
文芸を書残すことです。
この仕事は私にとってもっともふさはしい尊い事業であるの
ですから。

過去二十年間の病苦、罪業に対する悔悟の苦悩、それらすべて
の物は、神が私にあたへ給ふた愛の鞭であったのでせう。
それらすべての経験が、私をして、きたへられ、洗練された
ものにし、また、自己の使命はまったく一つしかないと云うこと
を自覚せしめたのですから……。

もだえもだえ苦しみ苦しんだ揚句私は、すべての目前の愛慾、
小さいものをすべてなげうって、新生活に入り、懺悔と感謝と愛
の清い暮しをしやうと深く決心しました。



「銀の滴降る降るまわりに、
金の滴降る降るまわりに」

『アイヌ神謡集』に登場する歌。

アイヌ民族に伝わる神話を日本語
に翻訳・編纂し、『アイヌ神謡集』
として世に送った知里幸恵という
アイヌの女性がいました。

久しぶりに彼女の遺稿集を
紐解きました。

彼女の両親に宛てた手紙や日記
から垣間見える彼女の真摯さや、
純粋さ、強い向学心、深い信仰心、
そしてその背後に見え隠れする
当時のアイヌ民族に対する差別や
自身の病苦。

才能に恵まれつつも
その才能を如何なく発揮すること
の叶わなかった彼女の生涯。

その一方で、
置かれた境遇を感謝しながら暮らす
ことのできた彼女の生き方。

19年という短い生涯のなかで、
なぜ彼女はそのように生きられたか…

それは、
彼女が自らの弱さを受け入れる強さを
持っていたからではないかと思いました。

私には真似することなどできない、
美しく濃密な生き方です。

銀のしずく―知里幸恵遺稿 (1984年)銀のしずく―知里幸恵遺稿 (1984年)
(1984/01)
知里 幸恵

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