道草手帖

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「夏の読書」  

100730dieZikade


外見はいちおうまともに見えるとわかっていたが、
内側ではもうジョージはばらばらに崩れつつあった。

答えられずに、ジョージは目を閉じたが
―何年もたってから―目を開けると、
ミスター・カタンザーラは、憐れに思ってくれたのだろう、
いなくなっていた。

だがジョージの耳にはまだ、ミスター・カタンザーラが
立ち去るときに言い残していった言葉が響いていた。

「ジョージ、私と同じことをするなよ」



夏は四季の中で一番、
想い出とつながっている
季節ではないかと思います。

懸命に鳴きつづける蝉
強く照りつける日の光
噎せ返るほどの草の香
茜色に染まる夕暮れ…

どこかに昔の自分がいる
ような錯覚を覚えます。

そして、
題名に惹かれて紐解いた、
バーナード・マラマッドの
「夏の読書」という短編の中
にも昔の自分を見かけました。

学校をやめて家に引きこもり
「いろいろ読んでいるんです」
と周りに告げるジョージ。

周囲の好意的な態度に、最初は、
上機嫌であったジョージですが、
次第に、自らついた嘘に苦しめ
られてゆきます。

若い頃の自惚れや無知、軽率さ、
その背後にある認められたいと
いう強い願望。
気持ちばかりが急いて、肝心の
中身が追いついてゆかない…。
昔の自分を見るようでした。

でもその一方で、
ジョージのことを若気の至りとは
言い切れないでいる、
昔とあまり変われないでいる自分
にも気づきました。

少しほろ苦い味のするような物語。

喋る馬(柴田元幸翻訳叢書?バーナード・マラマッド)喋る馬(柴田元幸翻訳叢書?バーナード・マラマッド)
(2009/09/30)
バーナード・マラマッド 訳:柴田元幸

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